自然と歴史が織りなす文化遺産外濠の新しい魅力を発見する「外濠EXPO2025」のパネル展示がスタート!

東京・市ヶ谷から飯田橋を抜け、四ツ谷、新宿へと続く外濠(そとぼり)。江戸城を守る
ための役割として生まれたものですが、桜の名所としても知られる反面、水質悪化や文化
資産としての認知の低さなどの課題もあります。
こういった外濠の歴史や魅力、そして可能性を伝える共創イベントとして、外濠水辺再生
協議会では2026年11月から「外濠EXPO2025」(協力:外濠市民塾、後援:東京都、千代
田区)を開催。その一環として、地域住民や大学・企業からなる外濠市民塾の皆さんと協
力し、下記の特別パネル展を実施します。
一般の方も無料でご参加いただけるイベントですので、ぜひお立ち寄りください。
「外濠EXPO特別パネル展 協議会×市民塾が見た外濠」
日時:11月1日(土)〜30日(日) 各日8:00~22:00
場所:飯田橋グラン・ブルーム1階 商業施設エントランス内
(東京都千代田区富士見2丁目10番2号)
詳細はこちら
【外濠水辺再生協議会って?】
外濠水辺再生協議会は、千代田区、新宿区、港区にある外濠周辺の企業や有志が集まり、
水質浄化と景観改善を目的として2016年に任意団体として設立。
都市空間・自然空間・文化空間としての外濠のあり方を考え、地域の住民や大学、企業の
皆さんのお力も借りながら、水質浄化や景観改善、認知拡大のために活動してきました。
外濠水辺再生協議会10年の歩みと外濠市民塾の活動を伝える特別パネル展

特別パネル展では、これまでの外濠水辺再生協議会による水質改善への取り組みや、外濠市民塾による外濠周辺の魅力的な街並みを発見し紹介する取り組みなど、外濠の今を多角的に伝えるパネル展示も行われています。ここで、その内容を少しご紹介します。
《外濠水辺再生協議会のパネル展示》
■ 夏のアオコ、悪臭…外濠の課題
外濠の問題のひとつは、夏場に発生するアオコ(藻類)による悪臭と景観の悪化です。
協議会では、法政大学・鈴木良春教授と連携し「どれくらいの量のきれいな水を導水すれば、アオコの発生を抑えられるか」をシミュレーションするなどの研究を重ねてきました。パネル写真で見ても水質の違いがお分かりいただけます。
■ 水草が生み出す自然の浄化装置
港区・弁慶堀では「ホザキノフサモ」という水草が自然繁茂しており、他のエリアに比べると水が驚くほど透明です。これに注目した協議会は、水草による浄化効果を実証するため、他の堀から底泥を採取し、水草がある場合とない場合の水質の違いについて実験を繰り返しました。その実験成果についてもパネルでご紹介します。
■ 研究から見えてきた外濠周辺の生活の歴史
研究では、江戸時代の外濠に生えていた植物の種を底泥から発芽させる試みも行いました。結果的に発芽は難しかったものの、底泥からはナスやイチゴ、ゴマなど、かつての人々の暮らしを示す痕跡が見つかり、この地域の歴史や人々の生活が水とともにあったことが実感できる、大変興味深い研究成果となっています。
《外濠市民塾のパネル展示》
外濠市民塾認定の「外濠新名所」

大学生や地域住民などが集まって運営している外濠市民塾では、路上観察家の林丈二氏とともに選定した、外濠周辺にある新名所を紹介するパネルなどを展示。
外濠周辺に散らばっている“案外”いいかもしれない新名所をまとめた「外濠新名所『案外』三十六景」など、外濠周辺の街歩きが楽しくなる情報がまとまっています。
外濠をきれいに:企業が手を取り合って
協議会では企業の枠を超えて連携し、外濠をひとつの“都市の水辺”として再生する取り組みをしてきました。
活動は大きく「企画・広報分科会」と「技術分科会」に分かれており、技術分科会では、外濠の水質改善に向けて、長年にわたり実験やシミュレーションを行ってきました。
「歴史がある外濠なのに、水が汚れているせいでみんなが関心を向けていない。それがずっともったいないと感じていました。その気持ちが協議会の活動につながっています」(技術分科会:須江まゆさん)
苦労と絆:10年間の活動を支えた仲間たち

協議会の10年にわたる活動の中では、多くの壁もありました。
「最初の頃は、関係各所に話を聞いてもらうだけでも大変でしたが、今では、理解が広まっていることを実感しています」(技術分科会:山本達生さん)。
長年の活動を支えたのは、建設・設計・印刷・不動産といった異業種から揃うメンバー達のつながり。「普段なら接点のない会社の人と、“外濠を良くしたい”という思いで語り合えたのは、本当に貴重でした」と話すのは協議会と外濠市民塾双方の活動に参加している大日本印刷の廣田幸司さんです。
コロナ禍で一時活動が停滞した時期もありましたが、オンラインを活用したりしながら議論を重ね、研究を継続してきました。ボートから採水する際に集中しすぎて眼鏡を堀に落としてしまったという懐かしいエピソードも。そんな多くの積み重ねが、今回の特別パネル展につながっています。
「通勤や通学で毎日通り過ぎているけれど、“ここはお濠なんだ”と気づく人は意外と少ない印象です。この展示をきっかけに、一人でも多くの人が外濠に目を向けてくれたら嬉しいです」(須江まゆさん)
入場・観覧は無料ですので、ぜひお立ち寄りください。
外濠EXPO2025について
外濠EXPO2025は、パネル展示だけでなくシンポジウムも開催予定。さらに東京都主催関連イベントとしてプロジェクションマッピングや勉強会などの多彩な企画も予定されています
「外濠EXPO特別パネル展協議会×市民塾が見た外濠」
日時:2025年11月1日(土)〜30日(日) 8時~22時
場所:飯田橋グラン・ブルーム1階・商業施設エントランス内(東京都千代田区富士見2丁目10番2号) ※シンポジウムやプロジェクションマッピング開催時は展示場所移動の予定
主催:外濠水辺再生協議会
協力:外濠市民塾
後援:東京都、千代田区
「外濠開削400年へ向けて!外濠EXPOシンポジウム」
日時:11月11日(火)13:00~16:40
場所:DNPプラザ(東京都新宿区市谷田町1-14-1 DNP市谷田町ビル)主催:外濠水辺再生協議会
協力:外濠市民塾
後援:東京都、千代田区

シンポジウムの申し込みはこちら
※定員30名程度
特設ページでぜひチェックしてみてください。
外濠EXPO2025:https://sotobori.gr.jp/expo2025/
外濠水辺再生協議会公式サイト:https://sotobori.gr.jp/
外濠市民塾公式サイト:https://sotobori.ws.hosei.ac.jp/wp/